信州かくれ里 伊那山荘

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2011年 08月 23日

風呂のタイル張り

「足の裏に付いた米粒」…うまいことを言う。 
  先週、風呂場で一人タイル張りをしたレンガ積みの現代の名工、敏ちゃんが伊那山荘主人に    代わってその奮戦記を書いてくれた。それにしても、足の裏に付いた米粒とはうまいことを    言う。米粒にもならない資格をこの主人はいくつ持っているだろうか。思い出しながら指折    りを始めたが両手ではとても足らないので途中でやめた。

 伊那山荘の近くには仙流荘という宿泊施設があり、ここにそれなりの入浴施設がある。天然温泉ではないが、豊富な湯量に満足する風呂である。 黒河内に来て以来ずっとここにお世話になっているのだが、たとえ5分でも車で走らねば入れぬ風呂ではなく、やはり自前の風呂に入りたいと思う様になった。
 6月になると窯のレンガ積みがほぼ完成したのを機会に、次の課題である風呂を築造する思いは更に加速した。 私はかなり立派な洋風のバスダブを手に入れ、稚拙な積み方ではあるが、コンクリートブロックの基礎を積み上げた。そこで初めて浴室の築造構想を棟梁達仲間に伝えたところ、増築するより現在の納戸を改装し浴室とした方が良いのではないかとの事となった。
かくして 1級建築士(それは足の裏についた米粒のようなものという・その心は、取っても食えない、かといって取らねば気の済まないという例えの如き資格という)と、高名大学電気学科卒の元大工見習氏が、事前調査の実施と称し、何と納戸の床をさんざんハンマーで叩いた後、容赦もなく1.5尺角程の穴を空け逆立ちし床下の構造チェックとあいなった。 置き石基礎に栗の土台であるが、何故か床下部分の木部には、根がらみを含めセメントのノロ引きがなされていて、土間は箒目が見える程綺麗であるという。 想像するに湿気防止策と考えられるが、効果の程は如何なものなのだろうか?
 幸か不幸かは別とし? ここに風呂を作ることについて特に問題はないとのこととなり、次の工程に彼らが掛かる前に、私は自分で積み上げた基礎を涙ながらに大ハンマーを振るい取り壊し、捨て場の山へと搬出した。
 精鋭? 工作部隊がやって来ると山荘は、一気に活気づく事となり、築造工事に取りかかったのだが、解体工事に取り掛かった集団から、おー-すげぇーー! と歓声が上がり、私を呼ぶのである。 何があったのかと向かうと、壁の中に昔のガラス窓が慄然と出現したのである。
前オーナーが改装の際壁の中に閉じ込めたものと思うが、幅6尺*高さ4.5尺の見事な吹きガラスの立派な格子窓である。 ユニットバスのような小さな窓を想定していたのだが、皆でこれを使わぬ手はないと確認し、大切に保管する事となった。
 私は言われた通り束子で丁寧に桟を洗い、荒れた木部を優しくペーパー掛けした。
浴槽排水の枡を設置し、土間コンクリートを打ち、棟梁の姉さん宅から戴いたステンレス浴槽を据える。更に洗い場の土間を作るに当たり私が壊し、処分場に運んだブロック片をほぼ全て持ち帰り、土間下部に入れ込み、コンクリートを打ったところで、浴室の概要が見えてきた。
 そこで仕上げの議論となり、床には窯場の土間と同じく御影石150角を貼ることとした。
しかし壁に至ると意見は交錯し、安く上げるべく波板でも貼ればよいのではないかとか、どおせなら桧風呂にしようという意見があり、最終は私の判断に委ねられた。
 こうなればもう方向は決まったようなものであり、私は皆さんの期待を背にネットオークションに桧材を頼ることとし、少し高いかなと思いつつ、目先の必要性に購入やむなしとその材料の送り先を、伊那山荘と記した。
 結局最終的な仕様は、床と立ち上がり45センチは15センチ角の石張りとし、それ以上の壁を桧板張りと決定し、名工? 髙井が私の見る目では事も無げに張り張りあげていった。
その間入り口のドアーを如何にすべきかという課題が起こったのだが、結局私の持つ中古アルミドアーは余りにもサイズが大きすぎるということから、お蔵入りとなりまたしても、今井棟梁の技に期待することとなったのである。 まさに何かあった時の棟梁頼みと言うことか・・・・
 かくして何とか形が整い、灯油ボイラーの設置手配が出来ぬまま、庭で残材を燃やしながら、大釜に沸かした湯での一番風呂となった。 
 おまえ先に入れと言いながらも、オーナーの特権をいかしての? 一番風呂とあいなった訳だが、そろそろと思う頃髙井がセレモニーするけど良いかー? と声を掛けて来た。 
 見れば缶ビールとカメラを持ちさあどうぞ ! という・・・思わず笑みがこぼれたことは間違いない。
 ほのかな桧の香りを覚えつつぐいと呑むビールの味になにも言うことはない・・・・
浴槽に浸り大きな窓辺から見る山荘北側の山の斜面は、高い空まで大きく広がり、季節ごとの草花として何を期待するか? 
 また楽しき悩みが増えたことを、少しうっとうしくも心嬉しく思った。
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by okasusumu | 2011-08-23 09:32 | 山荘概要


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