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信州かくれ里 伊那山荘

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2011年 06月 03日

丹沢から伊那谷へ

桜の花に秋の実りを思う
遠くで風が何かをささやいています。草の上に寝転んで、白い雲を見ているう
ちに、うとうとしたようです。風と戯れる梢に目をやると、無数の新しい命が萌え
出ていました。生命力が、もぞもぞと動いているように感じ、見ているだけで、自分にも元気がわいてくる気がするから不思議です。春の山のお裾分けなのかもしれません。山は次第にこんもりとしてきました。
 そんな、こんもりした山を見ると、昔から、そこに山の神さまがいて、春になると田の神さまに姿を変えて、里に下りて来られると、日本人は、信じていました。山を下りて来られる日が、「山開き」、「高い山」で「神迎えの日」です。
  その日は、重箱に詰めて持ってきたご馳走を食べながら、歌ったり踊ったり、桜の咲く、春の山を一日楽しみました。この行事は、花見として今に引き継がれ、 都市では早くから行楽化してしまいます。飲み歌うことは少しも変わりませんが、生産現場の農村では、古くからの言い伝えが、そのまま残って、山の神さまが 田の神さまに姿を変えて桜に宿った
と伝承されてきました。 さくらの「さ」は田の神さま、あるいは穀物神。「くら」を屯倉の「倉」とすれば、さくらは田の神さまで穀物神が宿るところです。神の酒をささげ、お裾分けを頂いて、見事に咲いた桜の花を見て秋の実りに思いを馳せました。まさに農耕儀礼です。
 さけの「け」は酒の古語で、神の酒ということになります。秋の収穫に思いを馳せながら、そろそろ棚田の米づくりの準備を始める頃となりました。 棚田をとらえて万里の長城に匹敵する文化遺産だと司馬遼太郎は言ったそうです。この地の棚田がそうかは別にし
て、私たちの地域の先人が、自らの意思と汗で作ったものです。おのずと権力者が力に任せてこしらえたものとは違う美しさがあります。水が満ちた棚田の風景は何にもまして、美しい文化景観です。・とはいえ、今は、耕作しない田んぼが増えて、自慢しづらくなってしまいました。

by okasusumu | 2011-06-03 16:16 | 里山逍遥


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