信州かくれ里 伊那山荘

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2011年 06月 15日

里山の危機(2)

照葉樹林に変わる
 環境省の「日本の里地里山調査分析」(中間報告)には、「放置すれば里山のコナラ林もアカマツ林も常緑広葉樹林に移行する。」コナラ林は「ネザサ類の侵入、繁茂によって更新や移行が阻害され森林構造の単純化を招く」とあります。
 気候区分では東北地方を除いて本州のほとんどが暖温帯の地域ですので報告書にあるように常緑広葉樹林に移行するのが自然の流れです。しかし、鎮守の森を想像 してください。夏の日盛りは良いのですが冬でも葉を落とさないため、光を通さない森です。薄暗く、いつもジメジメしていて、四季を感じさせません。生活の 場がこれでは憂鬱になるので、人はこうした森を切り開いて住みやすい明るい環境作りをしました。木を切ると太陽の光が入ってきます。すると、それまで眠っ ていた光の好きな植物の種が目を覚まします。クヌギやコナラはそうした光の下でなければ育たない陽性の木々たちです。
 この木々は秋になれば色づき、太陽の 光が欲しい寒い時期にはすっかり葉を落として光を遮る事はありません。葉は土を肥やし、燃料にするため幹を切っても、翌春には切り株から芽を出し再生します。
 こんなことから人は落葉広葉樹が好きになり、この国の歴史と同じくらい、あるいはそれ以上の間、林に手を入れて落葉広葉樹を育てて来ました。人が増えると当然のように燃料が求められます。禿山になるような危機を乗り越え、人手が加わって落葉広葉樹林は広がりました。
 自然植生である常緑広葉樹林はこうして人手の入った半自然ともいえる落葉広葉樹林に変わって来たのです。
 林の中の人の営みの積み重ねが落葉広葉樹林の里山を親しみ深い光景にしています。農家の生活が変わり、人手を必要とする里山が変わって来ています。放置する ことで日本の原風景ともいえる美しい景色を失う事は悲しいことです。日本人の感性も美意識も変わってしまうのかもしれません。
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by okasusumu | 2011-06-15 17:34 | 里山逍遥


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